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こんにちは。うっかりして久しぶりになってしまいました。
旅行日記で力尽きたっていうか、旅行日記まだ途中じゃん、、、、みたいな。
すいません。最後まで書く気はあるの。



先日、ここでお知らせした六本木・新国立美術館での
書道展が始まったので、行ってきました!

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友人の書家、印出隆之氏が今回出品している作品に
拙作『鋭角』の一節を課題に選んでくれたのです。

(『鋭角』はweb文芸誌窓辺にて掲載→こちらより書庫へ)



六本木は普段ほとんど行くことがなくて
この六本木の新国立美術館も行ったことがなく
未知の領域の探検気分でした。ミッドタウンとか初めて前通りました。

美術館というか、書道展の会場は、とてもとてもとても広かったです。

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歩いても見きれないほどの書作品が、幾百(もしかしたら千くらいあったのかも)も
壁を埋めて、それぞれに力と存在を持って、なんだか森の中を歩いているみたいでした。

書道の展示を見に行ったのも、これが初めてだったのですけど
大変に面白かったです。
書道と一言で想起するイメージは、小学校の頃の宿題だったりの記憶でしたが
大人になって向かい合ってみると、「模範通りでなければならない」という箍が消えて
自由で力強くて音楽的な、ものが多いように思えました。
墨の色が本当に黒く美しいもの、筆致の大胆なもの、これ以上ないくらい繊細なもの。
情感をそのまま反映したようなもの、凛とした自律の極致で書かれただろう端正なもの。
おおらかなもの。真面目なもの。悲劇的なもの。鷹揚なもの。
それらをひとつひとつ見て歩きながら、私はいつしかそれらを音楽に喩えていました。
ジャズセッションのような作品。クラシックピアノ。バイオリン。ブルース。ソウル。
私がもし書家だったら、どんな作品を書くだろう。
どんな作品に憧れながらも自分には無理だと悟って、憧れを捨てられずに居るだろう。
そんなことを考えながら、果てのない展示会場を歩いていると、展示されている作品それぞれが
一人一人の人間そのものなんだろうなあと思ったりもしました。
(多分これは、半分くらい私の願望で、それはわかっているのだけれど、
 だからこそ、意味のない言葉を課題に選ぶ作品は、
 書いた人の悪ふざけに思えて好きになれませんでした。)

印出さんの作品は、一階の展示室を一回りして一度外へ出てエスカレータで二階へ上がった奥に
展示されていました。

――歩かされているのではなくて、歩いているということ。
――生かされているのではなくて、生きているということ。
――存在させられているのではなく、存在しているということ。


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「作品の課題に選ぶ」ということしか知らず、どんな作品なのか想像も付かない状態で
自分の書いた言葉と向かい合ってみるのは、不思議な感触がしました。
私はてっきり、横書きの作品なんだろうなと、勝手に思い込んでいたので
縦書きで、こんな風に間を取って、白い有限の場所を言葉が埋めるのが、本当に新鮮に思えました。

展示作品には読めないものが多かったので
読めること、それ以上に言葉が力を持っていることが、何よりも嬉しくまぶしく思えました。
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物語のただの一節として埋もれていた言葉が、
意味を伴う形になって人に直接訴えかけることができるようになるということが
本当に不思議で、面白く、嬉しいことでした。
印出さん、ありがとうございました。

大変面白くて退屈しない展示だったので、機会があれば出かけてみてください。
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by pinngercyee | 2012-01-17 01:36 | お知らせ