LIPHLICH新譜『フルコースは逆さから』曲紹介

a0223987_0511073.jpga0223987_05276.jpg






LIPHLICHのニューアルバム『フルコースは逆さから』が10月2日に発売されました。
最近の彼らの勢いが本当に凄くて、このCDも下記YOUTUBEの試聴を聴いただけで眩暈がするほどで
この発売を、本当に楽しみにしていたのですが、いざ現物を買って来て聴いてみると
内心で上がりまくっていた期待のハードルを軽く壊すほどに、「やっばい」一枚で
文字通り、気が遠くなりました。

と言ってみても、何も伝わらないのは百も承知なので、恒例の
すごいなーと思ったところや曲の輪郭をざっくり紹介してみようと思います。



冒頭の『マズロウマンション』『古代に捧ぐ』のライブ映像は
アルバム『フルコースは逆さから』A/B2種類あるうちのAタイプ、DVD付きに収録されている映像です。
BタイプはCDのみ。『古代に捧ぐ』はBタイプには収録されていませんのでご注意ください。


1. 街へ出よう(Instrumental)

導入部にあたるインストゥルメンタル。
短音で重ねられるアコーディオンとかちゃかちゃと食器の鳴る音
包丁と俎板で食材をリズミカルに刻む音、人々のざわめき、ベルの音。
音像で描かれる情景は、人々の集うレストランの風景であるように思います。

2. 飽聴のデリカテッセン

1曲目で描かれるレストランの風景から、急展開して突入する痛快すぎる怒涛のリード曲。
何て軽快で小気味良くて皮肉めいて洒脱なんだろうと、一聴した時から驚いた記憶があります。
掲題の「飽聴のデリカテッセン」は、音楽で言うところの「飽食」と重ねられているとのこと。
「飽聴のデリカテッセン 飽調のレトロエッセンス 予期できる君の範疇 もはや千切りにして」
サビ部分のこのフレーズの『飽聴』と『飽調』は字が違うのですね。今気付きました。
何て人の事を食った歌だろう、と思う半面で、微塵も不快に思わないのは、その意図をひっくるめて
こんな洒脱でチャーミングで強烈な曲に仕上げてしまう彼らの自信と音楽の説得力によるものだと思います。

確かに「晩御飯に何が食べたい?」という話になった時に
「何でもいいけど美味しいもの」と答えると怒られるのに
音楽には具体的な期待をせずに「良い音楽が聴きたい」と探す努力もせずに怠惰な姿勢をとっても
それが一般的なことになってるなー、とか思いました。そんなことはいいのです。
聴きどころは、どこだろう。この洒脱な軽妙さを支えているのは
全パートがすっごい頑張っているということは分かるのですが、何分私に音楽を解説する語彙が乏しく
上手く「ここ!」と言えないのがもどかしいので、ちょっと気になった人は、いちいち格好いいので
ギターもベースもドラムも、重ねられている凝った挿入音のひとつひとつにも焦点を当てて
聴くということを試してみても楽しい歌だと思います。私はその前に楽しくなって踊ってしまいますが!

途中で差し挟まれて、ふと耳に引っかかるフレーズについてちょっと加筆。
「求めるヤミー」はYUMMY=「美味!」
「パッとミミクリー」はmimic(真似る)の名詞形mimicryということだそうです。
これは解説聞かなきゃ分からなかったので、書いとかなきゃと。

3. ヘンピッグ

烈しく連ねられるドラムに牽引されて突入するのは、縦に強く速い強烈な一曲。
これは最早、敢えて恐れずに言ってしまえば、『メタル曲』に分類されると思います。
むしろ、彼らなりの『メタル』を正面から衒わずやろうという意図すら感じます。
「楽器が上手じゃなきゃできない音楽ジャンルがメタル」だという線引きがありますが
それに足る実力を十分に彼らが既に帯びているということを、力強く示す意図もあるのかもしれません。

曲も演奏の熟練度も十分に、紛うことなく『メタル』だと言ってしまうに足る一曲なのですが
『メタル』と言うには、なんてアンニュイで繊細なボーカルが乗せられた可憐な一曲なのだろうと
逆に驚いてしまう心持ちがします。違和感ではなく、この曲に乗ることで際立つ久我さんの表現力。
LIPHLICH曲の中で、初めて挿入音の同期を用いず、演奏音だけで構成されたというこの曲は
ギターも、ベースも、ドラムも、輪郭を見失わせることなく色濃い音で調和して怒涛の一曲を描きます。
ライブではヘドバン曲なのですが、私はヘドバンせずに彼らの指元を注視したい欲求に駆られます。
『ヘンピッグ』の意味するところは『雌豚』らしく、怒りをぶつけて汚い部分を見せるような曲という話がありましたが
私はこの歌、この曲が愛おしくてたまりません。大好きです。
同期がないだけで、これだけ音の輪郭がはっきりするの。と驚いた曲でもあります。

雌豚を意味する『ヘンピッグ』を題に掲げ、爆走とでもいうような疾走感を帯びて前へ前へ進む曲で
「Follow me Hen Pig 餌はミニキャロット」と雌豚たちを率いる男性は己を「吾輩」と呼びます。
何ていう優雅で無敵なアジテーター。餌にミニキャロットを選ぶセンスも可愛らしい。
そして聴いていて抜群に楽しいの。夢中で疾走する集団に紛れたみたいな無敵な感じを覚えます。

上で「メタル」って言いまくりましたが、これってパンクなんですか?
私、パンクを通ってないので自信持って言えないというか、メタルだと感じたのですけど
「これはパンクだよ、メタルじゃないよ」って思った方、教えてください。すいません。

☆★追記 20131102
新井さんに確認したところ「メタルだね」とのことでした。良かった!!合ってた!!

4. 慰めにBET

正統派ジャズに殴り込みをかけるような一曲。これまた正面から行きましたね。本当に驚きました。
よくあるジャズ風や、ジャズアレンジではなく、これは、正統派なジャズです。

水が滴るような湿度のある軽快なピアノの音が鮮やかに踊り、めちゃくちゃ効いている傍らで
軽く刻まれ続ける抑制のあるシンバルを叩く音が愛おしくて好きでなりません。
スタスタと叩かれるドラムに絡むように低く歌い続けるベースのゆらゆらとした陰影と
差し挟まれる色気のある流し目のようなギターの表情。
そしてピアノソロから続くギターソロの存在感。シーン転換の息を飲むような緊張感も凄い。

歌詞の話をすると、「慰めにBET」の後に続くのは「愛しいヘビ心で」というので驚きました。
この歌の主役は「一瞬のスポットライトを求めて脇役でもステージへ上がるバーレスクの女優」です。
『Lost Icon's Price』の『夢見る星屑』や『ミズルミナス』で描かれた女優性に通じるものを感じました。

「かなわないと認めず 白旗は上げず足上げ 右へ左へ今日も殿方焦らす真夜中の蜜」
「主役はあの子でもいいから、嗚呼、今夜も赴く 雨のステージ」
「報酬は1秒のスポット それだけでいいから I BET ME. I BET ME」

この抜粋部分だけでも、この歌が抱く脇役女優の抱く儚い希望と戦いの息遣いが見えるようです。
凄いなあ久我さん。何がどこから憑依して、こんな詞が書けるのか、全く分かりません。

5. VESSEL-Album Ver.-

完売した1stシングル『6degree's separation』のリード曲『VESSEL』が
アレンジを大幅に変えて収録されました。
「宛がう愛が 蜂の巣のような君という容れ物から 流れていくのを防ぐにはこの手じゃ足りない」
「時の流れとともに1つ1つ増えていった洞穴 埋めるのは時じゃなく 理想の中の不純物かもしれない」
「宛がう愛に たまに混じった嘘と欲と不安が少し詰まって ほらまた1つふさがったね」
という部分で、無力で一面的な愛情を歌う凄くシビアな歌だという印象があったのですが
先日の大阪のライブの終盤で、この歌が歌われる前に
「人には穴が開いているから、どんなに満ちても思いや記憶が流れ出してしまうものだけれど
 流れ出してしまうものだからこそ、溢れないで済むのだし、また希望を持つことが出来る」と
いう逆説的な言葉が差し挟まれて、目が醒めるような思いがしました。
この歌を書いた時点では、きっと上記のポジティブな意味ではなく、文字通りのネガティブな無力感を
軸にしていたのではないかなと思うのですが、その日に聴いたこの曲は、この言葉の通りに
人が穴だらけであることを責めるのではなく、だからこそ注げば内側が澱まずに居られるのだという
強くポジティブな一曲として聴くことが出来ました。それって凄いことだと思うのです。
この曲、ライブではサビで皆こぶしを振り上げるのですが、私、聴くのが精いっぱいで毎回できません。
固まって、演奏を見守るので精いっぱい。
メロディーラインを背後から支え歌い続けるベースと、嘆きを帯びて倫理を刻むギターの描線。
そして決定的なところで叩き込まれるドラムの絶対性にそれぞれ括目する価値があると思います。
以前の曲紹介の中では「バンドとして系譜的なアプローチ(言い換えればスタンダード)」と書きましたが
今回、この音源に収められた形を聴く限り、勿論良い意味で輪郭は残しつつも
前回滲んでいたスタンダードな王道さは色を潜め、「一般的なバンドらしい」曲ではなく
「LIPHLICHらしい」曲に仕上がっていると感じました。
スタンダードな構成を崩していないと言ったって、他のバンドはこれ真似できないと思う。

あと、試聴動画の中にもあるフレーズなのですが
「言葉は君にとってシガーの先につけた火で ほんの少し時がたてば消えて後は灰になるだけだから」
という一文は、私、生きている限り忘れないように持ち歩こうと思う特別な一文です。
この言葉を憶えている限り、どんなに理不尽な状況でも、相手を責めずに居られると思う。

6. 大計画

ドゥーーーーンとした重さと暗さのある映画のような一曲。
「マッドサイエンティスト」という解説を聞いて、「ああ!」と納得しました。
都会の夜闇の裏通りの地下で暮らす男が、狂った愛で恋人の脳を水槽に取り出して愛する話かなと思いました。
この曲に関しては、その夜闇の中で人知れず行われる狂気の愛の着想の情景を、音楽の力を集結して
描いているように感じました。
ぶっちゃけた話をすると、個人的にはエヴァの綾波レイが沢山水槽で泳いでいるシーンと
1927年の無声映画『メトロポリス』の労働者の街の地下に住む科学者ロトワングが
人々に慕われる少女マリアを攫ってアンドロイドとすり替えて監禁するシーンと
大越孝太郎の漫画を諸々と思い出しました。

という印象でライブで見て、この曲の描く赤く甘い幻想に息を飲みました。
今、ライブで一番美しい情景が見られる歌かもしれない。
この主人公の科学者が憑依した久我さんが赤いライトの下で歌う
「おはよう 気分はどうだい 生憎 珈琲はないよ」という愛情に満ちたフレーズが美しくやっばいです。
見てみたいと思った人、見れるうちに見たほうがいいです。

7. マズロウマンション

マズロウマンションです。知ってる歌だと油断して聴いていたら足元を掬われました。
先日小説書いてる間、何百回と聴いていたのですが、未だに飽きていないことに我ながら驚きます。

8. 月を食べたらおやすみよ-Album Ver.-

完売した2ndシングル『ミズルミナス』と対になる幻の一日限定販売された曲です。
『ミズルミナス』とこの曲『月を食べたらおやすみよ』は別ブログの方で記事を書いたので
内容に関してはそっちをご参照ください。
ギターソロに入る一音目のスカーンと抜ける音の強さと透明感に吹きました。(ごめんなさい)
すっごい美しいです。ギターの引く旋律の線を月明かりの下で手探りで手繰っている感触。
重ねられているアコースティックギターのさざめきと、水面でしじまを描くように存在するベース、
鼓動を代行し続けるドラムの端正さも注視するに値すると思います。
歌の面で言えば、久我さんの声に切実さと説得力が増して、物語が一層の必然性を帯びた気がします。

「どうせこの後また会えるのだし 先に眠ってやすらかに君よ」
「怖がることも 今となっては何もないんだよ」
「いただきましょう 愛した全てを いただきましょう 永遠のスープを」
「君を食べたらおやすみ すぐに行くよ」

この自分勝手な男性の一面的な愛が、歌の説得力如何で、清らかな愛情にしか聴こえないのが凄い。
事実、この曲は、男性側からルミナス嬢へ捧ぐ澄んだ愛情を描く、名バラードという位置にあります。
内容と印象の乖離を、全く違和感なく表現力と説得力という曲と歌の力で捻じ伏せている曲だと思います。

9. Fiddle-De-Dee

一転して軽妙な打ち込み曲が幕を開けます。
「英語にしか聞こえないのに、歌詞カードを見ると日本語にしか聴こえなくなる久我語」と噂の一曲です。
そんなことないだろう、と思って歌詞カードを開いて聴いて、吹きました。凄いな!!笑
初聴の際は、笑いが止まらなくなって、ひとしきり笑いました。
こんな曲も詞も書いちゃうところが、やっばいです。

因みに試聴の冒頭部分は「上品なプレイはもう飽き過ぎた 無礼なくらい辱めていくまで行こう」です。
「何歌ってるのか聞き取れない」という一般的にネガティブな反応を逆転させた発想に脱帽。

試聴で聴いていた時点では輪郭を掴みきれておらず、そこまでピンと来ていなかったのですが
CDで一曲を通して聴き、ライブで見た時に、炸裂する痛快さに脳味噌はじける位狂喜しました。
渉さんの曲は、言葉に置き換えられない体内からの感情的な狂喜や高揚があるように思います。
ライブで見る時の注目点は、久我さんの不思議なダンスでしょうか。膝から崩れるかと思った。
素晴らしいキラーチューンです。と纏めておきます。
この歌詞を知りたくてCDを買っちゃうのもありだと思いますよ(^v^)

fiddle-de-deeの意味は英語の間投詞の「バカバカしい!」って言葉なのですよね。
私、これぐぐるまで知らなかったのですけど、久我さんの用いる英語は
「ちゃんと英語を勉強した人の英語」というところで、安心感があって個人的にとても好きです。
「It's a good day to do」とかも高校時代に例文で覚えたもん。懐かしい。

10. ミズルミナス-Album Ver.-

内容としては、上記『月を食べたらおやすみよ』のところで貼った記事の通り。
音に関して、ひとつひとつの音の輪郭が際立ったように思います。
「以前のは日本人ぽかったルミナスさんが、イタリア人みたいになった」というコメントの通り
背景にある音が、リズムだけではなく湿度を帯びてラテンの夕暮れのような情景を描いています。
これも折々で挿入されるギターの音の存在感と、ソロの密度の高さがすっばらしいです。
乾いた音で叩かれるドラムの示唆や、映画のシーンのように展開していく牽引力が凄いと思います。
前回の録音に比べ、全体的に一つ一つの音の輪郭が丸くなったような気がします。
上で「ラテンの夕暮れ」と形容しましたが、今回のルミナスさんは歌の切実さが増したことで
危うさと焦りのような覚悟が見える気がしました。
夕暮れを過ぎて夜が来てしまったら、このルミナスさんは恋人を殺す気なんじゃないかしら。
歌詞も曲も前回と変わらず、ただ挿入される音のアレンジが変わっただけで、この印象の違いに
改めて驚きました。

11. ジョン&ジェーン・ドゥ
イントロからベースがくっそ格好いいです。私この曲一番好きかもしれません。
試聴動画に無いのが残念。
私、普段、ライブは上手で見るのですが、この曲を弾くベースの進藤さんの指先を見たい一心で
こないだの大阪で初めて下手に行きましたもの。
情景としては、曲からも詞からも、ハードボイルドなアメリカの昔の犯罪映画の匂いがします。
五番街に住むジョンとジェーンの夫妻(兄妹かもしれない)は、二人きりで暮らしており
空のない街の下で共犯関係であるように思います。
「彼がジャムをぶちまけ」「彼女が秘め事にする」って殺人の暗喩にしか思えないです。
そしてこの二人は、二人揃っていないと生きられないんだなということが、ひしひしと感じられます。
こんな映画みたいな情景を、説得力を持って、一曲に仕立て上げるのは、曲と演奏の力に他なりません。
凄いなあ。表現力の意味でLIPHLICHが凄いって言う時に、私は選ぶのこの曲かもしれません。

12. MANIC PIXIE
マズロウマンションに続き、「知ってる歌だー」と油断して聴いたら、度胆を抜かれました。
この曲は3月の発売以来、ライブの中で最も強烈に会場内を真っ白の忘我に塗り込める力を持って
ライブの毎にその強さを強烈に増してきたのですが
その時に見る、理性をかなぐり捨てる瞬間の忘我を、高揚感を、音の生々しさを増して
ライブ音源でもない録音の中に取り込んできた感触がします。
そんなことが出来るの?!と絶句しました。
この録音を聴いていると、ライブの終盤でヘドバンに埋め尽くされるフロアの情景が目に浮かんで
言葉の通りに鳥肌が立ちました。

曲の内容として「自分の目で見て、信じたものへ迷いなくひた走る」ことの疾走感を軸に持つこの曲が
こんなふうに強さを得た時の、何も怖くないモードの無敵さを帯びた実感は
実際にライブで飲み込まれるか、このCDに収録された録音を聴かなければ伝わらないと思います。
すっごい仕事をしましたね、と喝采を送りたくなった一曲です。
現在のLIPHLICHの強さを示せる一曲。変なとこで変な音を入れて遊ぶ余裕すらも見てとれます。

13. 主人の楽園
試聴動画の4:20あたりから。
「きれいなものも きたないものも どちらだって もう見たくはない」という一人きりの人が
「必要とし、必要とされる、そんな日がいつか来るだろうか」という思いを抱いている曲です。
綺麗な曲ではあるけれど、正直に言って、CDで聴いた限りでは、それほど感動はしませんでした。

その分、ライブで見た時の、あまりに強く清浄な情景に驚き、息を飲みました。
一つの曲をやる時に、4人が4人、全員がそれぞれに神がかる瞬間を
その、息を飲む神々しさのままで一曲が演奏されきってしまうところを、私は見ました。
それって、すごいことだと思うのです。それがもし事実だと実感したとしたら、凄いでしょう?
凄かったんです。そして、その奇跡みたいな演奏が更に強さを増していくことは火を見るより確かで。
それを実感として得た時に、心臓持って行かれるかと思いました。

詞を読む限り、内容には孤独と諦念しか描かれていないというのに
曲の持つ必然性を帯びた途端に清らかな祈りが中心に現れて
崇高さを切実に信じる人の強さを見ることが出来るのが、一番凄いなあと思った点かもしれません。



今回のCDに関して、全体を通して感じたことは、とんでもなく「やっばい一枚」であるということ。
語彙が見失われてしまうほど、言ってしまえば「百年残る価値がある」と言っていい一枚です。

あともう一つ感じたのは、最近のマズロウマンションに代表される物語面の強い曲に対して
今回のCDに収録された曲は概して、言葉は最低限の抽象に近い緩さを残していて
音の面で、勝負をかけに来ている感じがしました。
音の輪郭の際立ち具合が、ひとつひとつやばい鮮やかさです。
言葉が意味を持ちすぎると、音が背景を描くためのものとして二義的になってしまう部分を引いて
音そのものの存在を中心に据えて、意味を持たせるために、言葉を引かせた印象があります。
だから久我さん自らが小説を書く必要が出てきたのかなと、このCDを聴いてみて初めて納得しました。

a0223987_0511073.jpg

こっちがDVD付のタイプA。4200円。
8月2日のリキッドルームワンマンのライブDVDががっつり付いています。
それでこの値段は安いと思うの。おすすめはこちら。


a0223987_05276.jpg

こっちがCD単品のタイプB。2625円。
13曲入りのニューリリースのアルバムとして、明らかに安いと思います。
CD収録曲はAと同じ。





もしこの記事を見て、ちょっとでも気になるところのあった人は(それが懐疑的な気持ちでも)
現在彼らはこのCDを引っ提げて初のワンマンツアー中なので、行ってみるといいです。
SURREAL FOOL FULL COURSE TOUR
10月18日福岡DRUM SON
10月20日岡山IMAGE
11月8日新宿LOFT
というより、この週末、名古屋・大阪と見てきたのですが、本当に本当に良かったので
残りのワンマンツアー日程に間に合うように記事書かなきゃ、と思って帰宅当日の今日
書いているという状況なのです。今。

誰かの参考になれたらいいなあ。本当に個人的な感想で恐縮ですが。
このバンドを、こんな小さな会場で見られるのは、今だけだと思いますよ。


☆★追記20131101
YOUTUBEに上がってたので引用しまくってみました。
後半三曲あがってなかったので、聴きたい人は買うといいんです。
というか、見て貰ったら私が書いてる「やばい」のが十分伝わると思うのですけど
こんなのただで聴いちゃだめです。貼っておいて言うなって感じですけど。
[PR]
by pinngercyee | 2013-10-08 00:31 | 音楽