2012年5月 京都散歩 その2

2012年5月 京都散歩 その1に引き続き、書きます。

次の目的地は、恵文社一乗寺店
鴨川の向こう側、出町柳駅から叡山電車に乗り、三つ目の駅、一乗寺で下車します。片道200円。

出町柳の駅の近くには、私語厳禁の名曲喫茶柳月堂、その階下にあるパン屋柳月堂、
国内外のインディーズアートを取り扱うトランスポップギャラリーなど色々ありますが
今回は立ち寄っていないので、書きません。

一乗寺の駅で下車し、右手に数分歩くと、恵文社一乗寺店があります。
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そういえば、私、このブログで恵文社について、書いたことがありました。

贅沢な休日

上記の記事で書いている通り、十年前に、出町柳に暮らす大学生だったころから
私は恵文社に足を運ぶたびに、畏敬のような信頼のような気持ちを抱いていました。

静かな場所。揺るぎない清廉さをまとった場所。
お寺の庭を訪れた時に感じる涼しさにも似た荘厳さと言ってしまうと
少し大げさかもしれませんが、この場所はやはりとても特別な場所なのだと
入口のドアを押し開ける度に、歩を進めてキシキシと鳴る音を静けさの中に聞く度に
これからの人生を一変させてしまうような予感のする一冊の本や
宝物になるかもしれない小さな一つの、何か。ペンや葉書や、そんな何かを見つける度に、
その思いは強くなります。

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店は入口からすぐの空間(写真上)が、本を扱う場所になっています。
大型書店のような網羅性はありませんが、この場所に置かれる本は一冊残らず
「選ばれて」この場所に置かれているのだ、という必然性を持っているように感じます。
取り扱われている音楽や画集、絵本などに至るまで、この空間にあるもの総ては
威厳を持ってその場所に存在しているのだと感じさせられます。

本を扱う左手奥は、ギャラリーを備えた雑貨スペース。(写真中・下)
私が銀座月光荘を知ったのは、この場所でした。
美しい名前の、(例えば『夜のセーヌの青』など)控えめな色味の可憐な便箋を
五色の中から選び出して、会計に持っていった時の気持ちを今も覚えています。

写真にはありませんが、数年前の改装で、書籍スペースの右手奥には『生活館』ができ
食器や料理に纏わるものなどを扱っています。

サイトの通販から、単純な意味での買い物はできますが、
私は関西に訪れる理由ができるたびに、京都・一乗寺まで足を伸ばして、ここを訪れます。
息を潜める時の気持ちを思い出すために。
この場所で息を潜めて、耳を澄まし、自分の予感を信じて棚に手を伸ばすときの
あの少女の溜息のような感覚を忘れてしまいたくなくて。

こちらでは、今回、山田風太郎の『人間臨終図鑑』の一巻を求めました。
窓辺の冊子の配布もお願いしました。



何年か前に、恵文社の傍らに『葡萄ハウス家具工房』二号店が開店しました。
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以前は、恵文社の何本か裏手の道を迷いながら目指さないと辿り着けなかった場所が
分かりやすい場所に開店して、探しに行かなくても立ち寄れるようになって嬉しいです。

また京都に住む時には、ここで家具の一式を揃えようと思っています。
恵文社のサイトでも紹介されているように、質のいい可愛らしいアンティークの家具を
手頃な価格で扱っていて、家具はたやすく購入できないながらも
一度訪れると欲しくなってしまうようなものが沢山あって困ってしまう素敵な場所です。



恵文社を出て、北白川にあるガケ書房へ向かいます。
このルートは、直通のバス路線がなくて、時間がある時はだいたい歩くのですが
今回は時間がなかったため、タクシーに乗ってしまいました。

さて、ガケ書房です。
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ガケ書房は、私が居た当時はなかったので、私は今回みたいな旅の折に訪れるばかりに
なってしまうのですが、ここも恵文社と並んで、京都を訪れる際には寄りたい場所の一つです。

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店内は雑誌や一般書籍が木製のラックに並べられている傍らに
「可愛いもの」「面白いもの」などの雑貨や、京都の街に関わりのある音楽を集めた棚
古書を出店している古本ブースなど、広義のサブカルチャーというよりも
店主が誠実に選んだ「面白いもの・素敵なもの」が店内に集められているという印象を受けます。

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「写真を撮らせてください」と言うと、お店の方は
「あの奥に、カメが居るので、カメも撮っていってくださいね」と仰ったので
覗き込んでみると、居ました。カメ。全部で4匹居るそうです。
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ガケ書房では、友人のパラパラ漫画家TAMAXさんの作品も取り扱っているので
前回に続き、売場の写真も撮らせて頂きました。
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私はかれこれ十年くらいTAMAXさんの文章のファンで、ブログを見守っているのですが
彼女のパラパラ漫画作品も、スマートでいじわるで大好きです。『フルコース』が特に好きです。
デザインフェスタに出店したり、ガケ書房・タコシェなどのお店で取り扱っているので
気になった方は是非。



タクシーでショートカットしたため、ちょっと時間に余裕ができて
「ここ(北白川)で余裕が出来たら、迷子行くでしょ!!」と銀閣寺前まで。

『迷子』とは、銀閣寺前を南下した場所にある有名な喫茶店『GOSPEL』の一階にある
珈琲だけの喫茶店です。アンティークの品々と、質のいい面白いものを選りすぐった古本と
話好きのマスターの山本さんがいらっしゃって、行く度に
格別に美味しい珈琲を頂きながら、目から鱗が落ちるようなお話が聞けて
自分で探しても見つけられないような面白い本を教えてもらえる小部屋なのです。

京都に行くと、迷子には必ず行きたいです。時間を作ってでも。
で時間があれば、二階のGOSPELでキノコカレーも頂きたい。超美味しいの。
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GOSPELのお庭は、薔薇が満開を迎えていて、私は今が五月ということを思い出しました。
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今回、迷子店内の写真は撮ってくるのを忘れたので、また迷子については改めて書きます。
恵文社のブログに迷子の紹介記事があったので、貼っておきます。
恵文社のお店探訪

この後は、我に返って大急ぎで京都駅へ向かい
『迷子』で譲って頂いた山本夏彦氏の本を読みつつ、新幹線でした。
(19時下北沢はギリで間に合いました。)

今回は、こんな感じの京都散歩でした。おしまい。
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by pinngercyee | 2012-06-10 23:35 | 京都