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今回、第18回文学フリマにご用意した新刊『スノビズム』について。
A5、40ページ、500円、2014/05/05発行

これは以前、WEB文芸誌窓辺に掲載したことのある作品なので
当時読んでくださった方も居ると思います。
今回、冊子にするにあたって、懐かしく思ってくださる方が居ると嬉しいなと思います。
犬尾春陽として、初めて『恋愛小説』というものを書いた作品です。
手に取ってくださった方に、瞼の裏の甘い幻と祈りが届きますように。

【作品紹介】
「N」は美しい青年だった。誰よりも優秀で、他人に劣等感すら覚えさせるような彼が、自室にこもり個展に向けて一人きり絵を描き続けている「私」の部屋を、夕食を持って毎夜訪れるようになった日々。
 完璧な人間を演じる見た目からは分からないNの弱さ。子供のように笑う一人の青年としてのNの無防備さ。結婚が決まっている年上の恋人には見せない彼のそんな一面を友人として受け止めながら、真意の見えぬ彼の来訪を制作の邪魔だと感じていたはずの私はいつしか、Nと過ごす時間が特別なものになっていることに気付く。
絵を描くことを軸に人生を送る「私」と、社会人として客観的な価値観を自分に律するN。違う世界で別のものを見て生きる他人であるはずなのに、誰よりも身近に自然に笑いあえるということの尊さ。近いうちに失われる特別な時間と、叶わないのが分かっている恋を互いに諦めるという、甘くつらい悲しみと祈り。


【抜粋】
「僕を羨んでくれる人が居るとすれば、それは僕のことを何一つ知らない人だと思う」
 先ほど、眠り込んでしまう前にNの言った言葉。嘘と虚栄で塗り固められているとNが言うN自身の虚像は、ピンナップにされた昔の映画のスターの笑顔のように隙がなく整ったもので、Nは優秀であるが故にその虚像を虚像と誰にも見抜かせて居ないのだ。

 Nはどんな夢を見るのだろう、と毛布をかけながら無防備に眠るNの整った寝顔を見下ろして思う。無防備さを許さない虚像の仮面をつけたまま暮らすNは唯一仮面を外す眠りの中で、どんな景色を見るのだろう。内面に芸術への熱を静かに秘めながら、その熱はNをいつか内面から焦がし始めるのかもしれない。私は絵を描くことで、熱を外へ逃がすことができるけれど、Nは熱を逃がすすべを持たないのだ。Nの中に煮詰められてゆく熱をもった景色はどのようなものだろう。煮詰める間もなく逃がしてしまう私の中にあるものよりも濃密で美しい景色をNは胸の中に秘めている。私の中には存在しない人生の時間で煮詰められた濃さの景色を、描くことができたら。私はいつかNの見る夢の景色を絵に描いてみたい、と思った。


5月5日第18回文学フリマ、宜しくお願いします。【A-15】でお待ちしてますヽ(´▽`)/
ご無沙汰様です。5月5日第18回文学フリマの開催が迫ってきました。
それについてお知らせと、直前なので、ちょっと案内を。

詳細はこんな感じなのですが、
開催日 2014年5月5日(月祝)
開催時間 11:00~17:00
会場 東京流通センター 第二展示場
アクセス 東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分
http://bunfree.net/?18th_bun

今回も私のブースは一階Eホール入って右の壁際です。

【A-15】犬尾春陽
です。
新刊は、★『スノビズム』(A5、500円)です。
宜しくお願いします!!詳細はまた改めて!!
既刊は★『マズロウマンション』(A5、1000円)持ってくよ!!
前回買い逃した人どうぞ!!正直好評です!!

お隣はお馴染み
【A-16】花森ゆきめちゃん
です。



今回、ちょいちょいと他ブース主催の冊子に参加させて頂いているので、そちらもお知らせ。

★『6×9=53+1(ロックはゴミの一つ上)』90年代ロックについてのアンソロジー
【エ-57】C-ROCK WORK の鈴木さん主催による冊子にお声掛け頂き、寄稿しました。
私の知る90年代のロックや音楽を取り巻く記憶について、余裕のあるエッセイを書こうとしたら
30枚を超すガチ過ぎる懺悔告白文になってしまいました。面白いと思います。おすすめ。
個人的にとても恥ずかしいレベルのガチさです。恰好悪い思春期のこととかいっぱい書きました。
発行部数があまり多くないそうなので、今回買いに来ないと読めないかもです。
私のブースでも少部数お預かりする予定。

★『文学フリマ非公式ガイドブック』
【B-01】文学フリマ非公式ガイドブック 主催掲題の冊子に、推薦・評定として参加しました。
個人的な趣味で、好きな一冊をぶち上げてみましたので、文学フリマをご訪問くださる向きは
「何を、どういう視点で選んだのか」をご確認いただけると嬉しいです。
この冊子は名前の通り非公式のもので
それゆえ一参加者が義理抜きで選んだお薦めの一冊をガチでお薦めしている冊子ですので
広すぎる会場の中で、漠然と良い本との出会いを求めている人には良い参考になる一冊かと。
こちらも少数ですが、私のブースでも預からせていただく予定です。



あと。ブース番号も出そろったところで、私が個人的に楽しみにしているブースをいくつかご紹介。
せっかく足を運んでもらうからには、ということで。

【A-09】近江舞子 http://d.hatena.ne.jp/oumi_maico/
太宰治と嶽本野ばらと黒夢が好きだという氏が書く作品には、凛とした美学という筋が通っているのを感じます。ファンです。

【A-12】詩架 http://xsiicax.jugem.jp/
Twitterでも仲良くしてくれている、容ちゃんと水無瀬ちゃんの二人ユニット。
重みと湿度のある文体が美しい。二人の文はそれぞれに良い匂いがする気がします。

【A-16】花森ゆきめ http://members3.jcom.home.ne.jp/kissxxxx/
お馴染みゆきめちゃん。今回はZineを作ったそうです。溜め息のようなささやかさで紡がれる言葉の結晶の美しさに、息を飲んでください。

【A-29】竹藪の会
前回、予期せず再会した早稲田時代の級友たち。当時は自主映画の人たちでした。
今回も会えることを楽しみにしています。

【B-02】文学結社猫 http://ameblo.jp/rehabilog/
90年代ロックアンソロにも寄稿している文学フリマロック班山本清風さんのブース。

【B-14】少年憧憬社 http://gold-dust-digging.blogspot.jp/
90年代ロックアンソロにも寄稿している文学フリマロック班の栗山さんのブース。

【B-20】西瓜鯨油社 http://suikageiju.exblog.jp/
一般的に「変態」という呼称を「それほどでもないでしょ」と否定しがちな私が
内心で、「この人は変態」と崇めている(褒めてます)牟礼鯨さんのブース。

【D-01・02】CRUNCH MAGAZINE https://i.crunchers.jp/
開始からわずかの期間で文学フリマ内も席巻している「読み手と書き手を繋ぐ」SNS。
文藝賞作家の今村友紀さんが主謀。
私がなぜ未参加なのかというとタイミングを逃したというだけです。需要あれば喜んで。

【E-01・02】西岡兄妹 http://www.ztv.ne.jp/bro-sis/
西岡さんです。お元気かな。お元気だといいな。

【E-18】ワセダミステリクラブ http://wmc-mw.sakura.ne.jp/
ミステリ界私学の雄ワセミスです。毎回気にしています。でも私はOGではないのですが。

【ウ-05】早稲田詩人会 http://wshijin.blog.fc2.com/
こちらも毎回気にしています。こちらは一応OGです。

【ウ-55】tamaxのパラパラ漫画 http://tamax.hiho.jp/
私は彼女の十年以上のファンです。ブログもパラパラ漫画作品も最高です。クールで。大好き。

【エ-21】@RayShibusawa http://rayshibusawa.her.jp/
渋澤怜ちゃん。先日彼女にSMバーに連行されて鞭持ってフェティッシュ写真撮ってきました。
彼女ほど、優秀で頭が良くて美しい半面で、体当たりで赤裸々な女性を私は知りません。

紹介しきれなかった身近な方たち、ごめんなさい。
TLに日々流れてくる情報、逐一気にしています。今回もいろんな方にお会いできますように!

文学フリマ当日っていつもバタバタしてしまって、ご挨拶に伺えなかったりブースに居なかったり
不義理をしてしまいがちで、本当にごめんなさい。
お友達各位は、遠慮なく呼び出してください。近くに居るか煙草を吸ってると思います。
# by pinngercyee | 2014-04-30 01:50 | お知らせ
取り急ぎ、お知らせまで。

第18回文学フリマ、出ます!
開催日 2014年5月5日(月祝)
開催時間 11:00~17:00
会場 東京流通センター 第二展示場
アクセス 東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分
※詳細は会場アクセスをご覧下さい

一般来場 一般の方は入場無料です!
主催 文学フリマ事務局


ゴールデンウィークの中日ですが、遊びに来ていただけると嬉しいです。
何やるかも新刊も未定ですが!
在庫切れのやつ再版したり、新しく冊子にしたり、何かやります。
この日は花森ゆきめ嬢と今回こそお隣同士!
宜しくお願いします♥
入場無料なので、遊びに来るだけでも歓迎するよ!
いぬちゃんとハイタッチしに来てください。

この日に発売の面白い企画にも声を掛けていただいているので、そちらもお楽しみに。
いい仕事します。水面下でやっています。うふふ。



近況としては、家の近くの河津桜が満開になって、春の夜の甘い匂いがしていて
この季節に似合う音楽ってなんだろうと考えて、クラシックだとかシューゲイザあたりを聴いています。

ベタだけど今日はこれ。今日みたいな春先の薄暗い雨降りの休日に相応しいと思うの。

春の匂いは涅槃の香り、って言うにはまだ時期が早い。
# by pinngercyee | 2014-03-01 15:24 | お知らせ